レザー製の靴の傷みやすい部分と修理の際に気をつけるべきこと

靴の中でも高価なのがレザーシューズです。レザーシューズの特徴のひとつに丈夫で経年劣化が少ないので、修理をしながら長く愛用できるということがあげられます。しかし、靴の構造やダメージの状況によっては修理が難しいこともあります。

そこで靴の傷みやすい部分や修理の目安など気をつけるべき点について解説していきます。

レザーシューズを買う前に製法をチェックしよう

レザーシューズの中で最も傷みやすい部分はソールです。ソールは部分的な補修も可能ですがいずれ、全てを張り替える「オールソール」という修理が必要になります。中には、この「オールソール」を何度も繰り返し、何十年もレザーシューズを履き続けているという人も珍しくありません。

また、履けば履くほどソールが靴全体が足に馴染むようになるだけでなく、経年変化による革の風合いも楽しむことができるなど、レザーシューズを長く履き続けることはコストの面で優れるだけでなく自分だけの一足を育てることでもあります。

しかし、このオールソールはどのような靴でもできるわけではなく、ソールを取り付ける製法によってオールソールが可能かどうか異なります。簡単に言うと靴のアッパーと中敷きを直接接合しているか否かがオールソールが可能かどうかの決め手になります。

なぜならアッパーとソールを直接接合しているとオールソールでソールを取り外す際にアッパーにも少なからず影響を与えてしまうので、ソールの交換ができなかったり、できたとしても回数が限られるといったことに繋がるからです。

では具体的な靴の製法を見てみるとオーダーメイドで作られる最高級の「ハンドソーン製法」や「グッドイヤーウェルテッド製法」などはアッパーとソールを直接縫い合わせない製法なので何度でもオールソールが可能です。

これに対して「セメンテッド製法」と呼ばれるアッパーとソールを接着剤で直接接合する製法はソールをきれいに取り外すことが難しくオールソールはできないこともありませんがかなり困難です。そして最後に「マッケイ製法」ですがこちらはアッパーとソールを直接縫い付ける方法です。

この「マッケイ製法」はオールソールも可能ですがソールの取り外しの際にアッパーにも縫い目があるため、オールソールの度にアッパーが型崩れするといった影響があり、2~3回のソール交換が限界と言われています。なお、「グッドイヤーウェルテッド製法」はどっしりとした作りでイギリス製のものに多く見られ、軽快な「マッケイ製法」はイタリア製に多く用いられるなど国によっても製法の特徴がありますが、靴を購入する際には製法について必ず確認するようにしておきましょう。

デザイナーズブランドなどの中には価格が高価にもかかわらず、本来安価な靴に使われることが多い「セメンテッド製法」にて作られている靴もあり、オールソールができないという場合もあります。

履き始めに傷みやすいつま先部分

レザーシューズの多くは靴底もレザーで出来ていて履き続けるうちに靴底に敷き詰められた詰め物が人の体重で沈み込むことで足裏にフィットしてきます。そしてこの過程でつま先が反り返るようになります。つまり履き始めて日が浅いうちはつま先の反りが不十分で地面と擦れやすい状態です。

そのため、まず多くの場合まず最初に修理が必要になる箇所がつま先です。つま先は軽いダメージならスチール製や革製のチップを取り付けるだけの簡単な修理で済みます。その価格も2000円から3000円程度が相場なのでダメージが気になったらためらわずに修理に出しましょう。

意外と目立ってしまうのがかかとのすり減り

レザーシューズのかかとは高く作られているのですり減ることで靴の中底までダメージが達するということは稀です。ですが、だからと言って修理が必要ないということではありません。というのも靴のかかとがすり減ってしまうと意外なほど目立ってしまい、くたびれた印象を与えてしまいます。

また、かかとの減り方には個人の癖があって外側だけが減ることで歩き方に悪影響を与える場合もあります。なお、レザーシューズのかかとは多重構造になっていて、1段目のみの交換であれば3000円から4000円程度が相場です。

しかし、ダメージが次の層にまで達していると、1段増えるにつき1000円程度の追加料金がかかります。

靴の内側のカウンターライニングも傷みやすい

レザーシューズの内側は足との摩擦によるダメージを受ける部分です。中でも「カウンターライニング」と呼ばれるかかと部分は着脱の際など、摩耗が大きいと言えます。このカウンターライニングはすり減ったら早めに修理しましょう。

というのも穴が開くまで放っておくと、内部にある芯地も傷めてしまう心配があります。ちなみに芯地やアッパーにまでダメージが及ぶとかかと部分の型崩れに繋がり、修理ができないということにもなりかねません。なお、修理価格は短靴ならば3000円程度、ブーツならば修復面積が広くなるため4000円からが相場となっています。

知らない間に傷んでいるサイドライニング

サイドライニングは靴内部の側面のことですが主に小指のつけ根辺りがすり減ることが多いです。このサイドライニングは普段目につかないため、知らないうちにダメージが進行している場合もあります。シューケアで靴ひもを外した際などに奥まで覗き込んで、状態を確認するようにしましょう。

なお、サイドライニングの修理はレザー片を貼り付ける簡単な処置なのでその価格も1か所あたり1000円程度になります。

⇒靴を格安で修理して長く使おう

最も大がかりな修理がオールソール

先に説明した通り靴底を張り替えるオールソールですが、ソールに穴が開くなどした際に必要な修理です。オールソールの修理代はソール全体の修理なので材料費がかかるだけでなく専門的なスキルも必要なので15000円からが相場とかなり高価になります。

また、ソールのランクによっては修理費が20000円以上になることも珍しくありません。しかし、ソールの穴やすり減りを放置していると中底やウェルトと呼ばれるパーツにもダメージが及び、靴がダメになってしまう可能性もあるので早めの対応が必要です。

なお、オールソールは修理だけでなくリメイクの要素もありますので、自分の好みを修理工に伝えてみましょう。例えば、靴底は通常縫い目が外から見えるような仕立てになっていて地面との摩擦によって糸切れを起こすことがありますが、ヒドゥンチャネルと呼ばれる縫い糸が見えないように革で覆う仕立てにすれば糸切れの心配が少なくなります。

他にもドレスシューズなどであればカラス仕上げや半カラス仕上げと呼ばれるソールを黒く塗る仕立てではよりドレッシーな佇まいに変身します。

関連リンク「靴 修理
http://www.kutsusenka.com/service/shoe-repair/
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